海外に出てわかった「自分らしい生き方」の大切さ。 サンフランシスコで日本企業とアメリカの企業文化・食文化を繋ぐ。

2019.08.09

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関根絵里 Elli Sekine

フード&ライフスタイル・ライター/ コーディネーター
福岡県出身 広島→大阪、京都→東京→USA
1996年サンタバーバラ(米国)に移住。1998年より、サンフランシスコ・ベイエリアに移住。2000年より日本語タウン情報誌、B社のサンフランシスコ支局長としてSFローカル版を担当。2004 年よりフリーランスライター、コーディネーターに移行。 現在サンフランシスコのグルメ、オーガニック、ライフスタイルを中心としたコラムを日本の雑誌やウェブに寄稿しながらメディア、食視察の現地コーディネーターとして活動中。著書に『カリフォルニア.オーガニックトリップ』(ダイヤモンド社)がある。サンフランシスコ在住。

2018年夏、筆者がサンフランシスコを訪問した際に現地でも話題のスポット「ミッション地区」を案内いただく。ベイエリアやIT企業が集まる地区とは異なる熱気を感じる街で色々とお話を聞いているうちにElliさんの考え方や趣味、人柄に吸い込まれ「もっと話を聞きたい」と強く感じElliさんが日本に帰っているタイミングに代官山でランチをご一緒させていただいた。

はじめての海外が今の自分を作るきっかけに

Interviewer現在サンフランシスコを拠点に様々な形で日本と現地を繋ぐお仕事をされていますが学生時代から海外へは興味をお持ちでしたか?

Elliさん(以下、Elli)もちろん興味はありましたが私の時代は誰でも留学できる今とは違ってたし、15 歳で住み込みで看護師見習いとして働き夜間高校に行っていたので、生活をするだけで精一杯でした。
夜間高校を卒業したのが19歳。人生終わりだと思いました(笑。でも諦めきれない夢があったので、年寄りでも良いからチャレンジだけはしてみようと思い俳優学校に行きました。
そこから私の人生が変わったのです。今でも心で繋がっている仲間が出来ました。さらにその仲間たちと劇団も作って大阪で活動をしていました。その後劇団を一緒に作った仲間と結婚して、東京へ引っ越し、私自身は役者を辞めて、家族を支える為に4つ仕事を掛け持ちもしました。
それも若かったから出来たことだと思います。

お芝居に情熱を注いでいた頃
20代前半「蒲田行進曲」

Interviewerただ色々と考えたりもしませんでしたか?

Elliそうそう。気がついたら26歳でキャリアはゼロ。高卒だったので30社に履歴書を送っても全部書類だけで落とされました(笑。
いくら役者の経験は長いと行っても仕事のキャリアにはなりませんからね。(笑。 バブルの最盛期でした。周りの人はヴィトンやシャネルと言った感じ。私は全部バイトで仕事を固めて東京の生活は楽しかったけど、何かが物足りなかった。「私って何なのかな」って。アイデンティティが見えなかった。自分の夢とお金を引き換えていた部分もあって生きがいを失っていることに気付いて。
3年くらい経って生活状況も少し落ち着いて来ていたので「たまには好きな事してもいいかな」って思い、旦那さんにその当時親戚が住んでいたアメリカに行ってみたいと伝えて、実際に行かせてもらうことになりました。

Interviewerご親戚がアメリカにいらっしゃったんですね。

Elliフロリダ居た従兄弟のもとで 1 か月生活をし。その後はロスに行ってレジデンスホテルに滞在し少し生活してみました。英語は全然できなかったけど周りは親に金をもらって「留学」という名目で皆遊んでた(笑。私も若かったしその一人だったかも。結局数ヶ月過ごして日本に帰りました。だけどすぐ「また行きたい」って思って。

Interviewerそれだけ刺激的だった。

Elliロスに居た時に知り合った友人たちとの生活もとても良い経験になりましたし、言葉がわからなくても色々と感じることはできる。もちろん言葉は大切なので勉強しておけばよかったとも感じましたが当時は、それよりも「もっと海外に行って色んな国の人と出会いたい」という思いが強くて日本で数ヶ月頑張って働いてお金を貯めて海外に行くという目標を立ててまた仕事を頑張りました。一年後、ヨーロッパ、イギリス、アメリカ、ニュージ ーランドを1年かけて回る旅に。ニュージーランドでは仕事もして居ました。

Interviewerご家庭がありながらその選択。Elliさんの行動力とご主人の理解が凄い!

Elli本当に素晴らしい経験をさせてもらいました。でも一年後、日本に戻ってから暫くはご病気なされた義理の親の看護につきました。東京生活7年目、私は32歳。興味のあった「海外と仕事ができそうな企業」の面接に行っても落とされてしまう。 また自分を見失居ました。。今までの経歴では社会に受け入れてもらえないように思い、コンプレックスに感じました。自分なりに時間を掛けて色々考えた結果「大学に行きたい」「留学したい」という思いが高まり旦那さんに伝えました。この時も「ここで動かないと一生後悔することになるよ」と旦那さんが背中を押してくれました。

留学して学んだ大切なこと。書くこと。自分の心に正直になること。食べること

25歳くらいの頃
芝居から足を洗い仕事を始めたが良い仕事はなかった

Interviewerさらに本格的に英語を学ぶ選択をされた。

Elliまずは英語の知識がない状態だったので日本の大学に通って英語を年間勉強しました。そしてサンタバーバラの大学に。サンタバーバラカレッジでは沢山のことを学びましたが、中でも「書く」ということの大切さ素晴らしさを知りました。今の仕事にも深く関係してくることになるのですが、大学での最初の1年間で英語力がかなり向上。言葉を学び理解できるようになると頭の中が「書きたいこと」でいっぱいになってくる。人生で一番素晴らしいエッセンスをもらった時期だと思っています。
その楽しさと裏腹に留学を続けるには課題も出てきました。時間、お金、家族。当初2年勉強したら帰る約束をしていたのですが、もう少し勉強がしたい。でもお金を仕送りしてもらうのは(旦那さんに)申し訳ないと思い、仕事を探していたところ、日系出版社がOPTで雇ってくれました。結果、日系出版社がサンフランシスコに支社を立ち上げるということで抜擢してくれたりビザを発行してくれたりもあり、旦那さんとも色々と話を重ねて違う道を歩くことに決めました。 旦那さんとは今までに一緒に人生を作ってきましたし、尊敬しあえるパートナーです。ご夫婦やカップルが100組いれば100通りの絆やスタイルがあると思いますが、一貫して私のことを応援してくれたことには深く感謝しています。

出版記念講演

InterviewerElliさんの人生にとってとても大きな岐路になりましたね。

Elliはい。そこからは本当に今の環境にぐっと近づいてきます。出版社では支局長に抜擢され、1日16時間働くような日も続きましたが、H1Bビザも取得し、6年目に独立してフリーランスになりました。地球の歩き方を始め多くの書籍や雑誌の執筆や雑誌出版に関われたことは貴重な財産です。またこの数年間でアメリカでの働き方も学び、覚えました。アメリカ人の多くは短期集中型。1日4-5時間しか仕事をしません。ただその時間に普通で考えた時の倍以上の業務をこなしたり結果を出している。「時間=仕事」ではないんです。頭の回転も速い。アメリカで生活をしていく為に「彼らより2倍努力する働き方」を繰り返しました。この時に「食べ物」の取材が多かった事で、現在私のバックボーンとなっている「食」にもリンクしています。あの時、「アメリカに行きたい」と思った気持ち、自分と正直に向き合った結果、今の私になることができました。日本に居た時は「人の言うがままに生きること」「自分より人」が良いことと思って生活していました。自分自身が本来持っている素質を活かせるよう心がける必要があることをアメリカで強く感じでいます。現在、私の得意分野としている執筆、食、オーガニックというキーワードを通じで、こちらの文化やライフスタイルを紹介しています。これからも引き続き、日本の企業や番組をアメリカと繋げ、大切な事を楽しみながらシェアしていければと思っています。

ナレッジシェア&メッセージ

Interviewerありがとうございました。僕自身とても興味深く聞かせていただきました。近い将来海外での活躍を望んでいる方々にアドバイスなどいただけますか。

Elliまず年齢は関係ないし気にすることはない。また何か特定のものだけに依存することは避けた方がいいと思います。家族(結婚)に依存する、日本社会に依存する。とか。 色んなことを試してみて、色々なことを理解できるようになると見えるものが変わってきます。テレビや雑誌、家のなかのこととか些細なことも。そんなことを考える、経験するタイミングは人それぞれ。早く来る人もいれば遅い人もいる。でもどっちが良いとか悪いとかはありません。そんなチャンスがあれば積極的に挑戦してみてください。私は大切にしていることが3つあります。
それは

  • 好きな場所に住む
  • 好きな人と暮らす
  • 好きな仕事をする

「私はハッピー?」 と常に自分に問いかけています。みなさんには「人と同じことが良いこと」ではなく 自分に対して真摯に真面目に生きてほしいと思います。アメリカには元気な人が多い。それはいい意味で自分らしく生きている人が多いから。そこが大切なポイントだと思います。もちろん、どんなに自分らしくても、他の人に迷惑を掛けるようなことは良くないので注意が必要ですけど(笑) 是非自分の想いにチャレンジ、投資してください。

Editor’s note

編集後記

日本で普通に生活していると「人と合せる」ことを無意識に選択してしまったりします。もちろんそれがダメなことではないですが、そもそも自分がやりたいことは何なのかを真剣に考えることも必要だと改めて感じさせてもらった今回のインタビューでした。その自問自答の先に「自分がやるべきこと」があって、そこに行きつくまでの課題がいくつも聳え立って いる。ただ「やらされている」時と違って、明確な意思と熱意があるので解決する為の努力ができるんだと思います。また見るもの聞くもの食べるものが自分を作っていくことも事実。今まで以上に自分の事を考える時間を作っていきたいと思いました。

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